子育てのヒント
2023年10月10日

距離感

 距離感

   もう少し寄り道をします。前回の提案で「駄目な事は駄目と言える」は親子間の距離感に許された特別なことの様な言い方をしましたが、これが誤解される内容だと感じました。それは社会人になった時、あるいは学生でも構いませんがルールを平気で破る様な人間に対し「君の行動は良くない」とはっきり言わなければならない場面があります。しかしこの様な時でも若干オブラートに包んだような柔らかな言い回しであったり,遠回しに君は良くないと伝える場面も見ます。これは他人と家族の距離感の違いから来る遠慮が関係していると考えます。しかし子供の中には、この遠慮が通由しない、遠慮が理解できていないと思う場面もあります。
 家族の持つ距離感は他人の距離感とは比べある程度の遠慮は必要ではない距離感だと考えます。そして、こ乃距離感が人格を形成するうえで大きな影響を与えます。教育や保育の現場で多くの子ども達と接しているとこの距離感が子供に与える影響は非常に大きな物があると感じる場面に多く遭遇してきました。時間があれば後日実例なども交えて書いてみます。
 そこで、距離感と同じ重要な要素に方向性があります。方向性とは、厳しい、優しいの横軸に強い。弱いの縦軸を組み合わせた状態です。それが下記の図です。生後間もない子供の場合、下図(1)二重線内のポジションが必要です。その後、子供が自分で判断できる範囲を広げて行くにつれ子供と関わる範囲を点線内のA~Dの様に小さくしていくことが望ましいと考えます。これは子供が自分で考え判断するための練習の時間ととらえ、失敗し落ち込んだ時などに枠から飛び出し、時には③、状況によっては⑥などと使い分けると効果的です。保育園の現場で落ち着かない子、問題行動の多い子は親のポジションが極端に偏っている。定位置に定まらず大きなばらつきがある場合が多く、この場合の子供は安定しません。そのため保育園の生活の順応するための時間が多くかかったり他の子ども達に問題行動を起こしがちな傾向があります。勿論、持って生まれた特性も有るので新しい環境に順応するために必要な時間は一概に言えませんが、問題行動については上記のことは言えると思います。
 そして小学校、中学校と成長する度にこの点線の範囲内のA~Dは小さく少なくする事が望ましいと考えます。但しこの事で家族が持っている距離感のアドバンしまわな失わないように注意して下さい。具体的に言えば他人の様な遠慮が必要な距離感にならないということです。これも私見ですが成長に応じ大人が子供に対する点線部分をしっかり決め緊急時以外はそこから出ずに子供に任せる。この様に接する努力を続けていれば適切な距離感は常に保たれると思っています。

  ○横軸は子供の対応が厳しいか,優しいかを表す。但し厳しいは冷たい、冷徹になり、優しい は甘いになる危険性がある。
  ○縦軸は子供に対する干渉の強度を表す。

備考 ⑥甘やかしの状態。このまま成長すると傲慢、我が儘などの傾向が強くなる傾向がでる
   ⑦虚無感、喪失感など自分自信に自信を持てない場合もある

 私見にはなりますが前回の親子4人の例で八丁堀駅で下車した時に何事もなかった様に4人が下車した背景には、家族の普段の生活はAのポジションにあったと思います。A~Dのポジションは方向性は違っていても正常な範囲内と考えます。記号の後のワードはそのポジションで主に培われる能力です。子供それぞれの特性もあるので必ずしもその要素が強くなるわけではないですが育む土壌ではあると考えます。
 先の例でいえば普段はAのポジションで生活しているが日常とは違った状況で①普段よりも厳く強い接し方をした。それでも下車時には問題が無かった様な状況が出来たのは普段の距離感(おそらく上図のAポジション)があたからだと考えます。

 後 記

 前回に続き他人の家庭をネタに大きなお世話ですが案外役に立つネタかもしれません。そして大切なことは、これらの内容はあくまでも個人的なブログです。もし,これで書籍を作ろうと考えれば資料、文献、時には実験のデータが必要です。現場の経験が豊富なおじさんが自分の経験を元に話をしているにすぎません。100%信用せずに使える部分だけ切り取って活用することをお薦めします。やたら米作りが上手い農家の爺さんが米作りの教科書にはのってない自分の経験の話している位のものです。そしてベイサイドアスレチッククラブメソッドはこの様な考え方を基本に作ったものです。

ご意見、質問などがあれば以下のアドレス当てに送って下さい。できる限るの返答をさせてもらいます。

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