松尾メソッド
2024年02月16日

成功について

 今回は成功についての考察です。世間で成功と言えば事業で結果を出してお金を沢山儲けることができた。スポーツで金メダルを取ることができた。名声を得て有名になれた。この様なイメージがあります。ベイサイドアスレチッククラブメソッドは成功を勝ちとるために考えたメソッドです。参考としたのはジム・レイアー著の「メンタルタフネストレーニング」という本を何十回と読み込み得た知識に私自身が現場で経験したことをミックッスして作った物です。またメンタルタフネストレーニング以外で参考にしたものがアルフレッド・アドラー的思考法です。アドラーの考え方は今できる最善を方法を行い結果は流れに任せるといった考え方と私は解釈しています。その考え方と対照的な考え方に結果を残す為には手段を選ばないという考え方です。これが「点」の視点で行う「点の指導」と似ていると私は思います。
 結果だけで成功か失敗かを判断する例として最近のワイドショーのスポーツコーナーでのMCの発言を紹介します。大御所と言える方の発言ですがこの方は度々結果が自分の思うような結果でない場合に「大丈夫ですか」とコメンテーターに聴く事があります。オリンピックなどでメダルが難しい。選手の調子が今ひとつ上がらず結果が出ていない時に「大丈夫ですか」と度々口にします。本人は無意識で心配しての発言と思うのですがこの言葉がある意味とても無礼な言葉であることに気づかなくてはならないと思います。何故不快感を感じるかは以下の2点になります。

 ①スポーツでは結果が全てである。必ず金メダル(1位)でなければ価値がない。と聞こえる。
 ②スポーツ選手はどの様な場合でも結果を出さなければいけない。と聞こえる。機械じゃないんですよ。貴方は調子が上がらない背景までみてますか。
 
 の2点です。そこで①の発言に対する私自身の独断と偏見の見解を紹介します。私は結果はポテンシャルと密接に連動していると考える人間です。例えばオリンピックや世界選手権で金メダルを取ることが出来るポテンシャルを10億ポテンシャルとします(以後、ポテンシャルをPと表します)このれを具体的にイメージしやすいように1P=1円と計算します。そこで世界的な大会で金メダルを取るには10億円Pを持っていなければ金メダルはは取れないと仮定します。この仮定で銀メダルが9億円P、銅メダルが7,5億円Pとします。陸上で考えると8位入賞以上が5億円P以上、この様な世界レベルの大会に参加するには3億円P以上が必要である。この仮定で考えて金メダルを取るのが確実である選手を過去の選手であげていきます。まず谷(田村)亮子選手「最高でも金、最低でも金」の柔道家です。次に吉田沙保里選手「霊長類最強のレスリング選手」この二人が100億円Pくらいあるかもしれません。現役の選手でも同じ様な比較が出来る選手もいますが現役の選手はあえて上げません。それに次ぐ存在でイメージ出来るのが高橋尚子選手と北島康介選手です。しかしポテンシャルは最高地点を一度経験すると選手によりますが緩やかに下ります。したがって引退時まで自分のピークを保って最高のポテンシャルで引退した選手は最強の選手と言えるでしょう。先程も言いましたがポテンシャルは最高点を過ぎると緩やかに下降します。選手はポテンシャルの低下を食い止めようと努力と工夫をしています。それを一番ポテンシャルが高かった時と比べ今のパフォーマンスを見ただけで「大丈夫ですか」と発言することは失礼と感じます。選手が頑張って自分のポテンシャルを維持しようとしていることも、まだ若くポテンシャルに達していない選手の未来も否定している様に聞こえます。それを先程の(お金=ポテンシャル)に置き換えると谷選手や吉田選手の大丈夫かは「財布忘れてないか」ですがそのポテンシャルに達していない場合は「おまえは払えるのか」に聞こえてしまいます。全くの偏見ですがこの様に聞こえる人間もいます。だから敢えて無礼であると言わせて頂きます。

 では成功とは何かです。その説明をするために長い前説をはしましたが成功とは決して一番になる事だけではありません。自分に出来る範囲で目標を持ち自分が納得できる結果を得ることです。当然その過程で失敗や後悔も経験しますがその経験を未来に繋げることができれば全て成功と考えます。そこで諦めたら失敗になります。但し「あきらめる」には二つの意味があります。一つは意味の通り諦めることです。自分には無理であると放棄することです。もう一つが「明らかに見極める」から転じた(あきらめる)です。この場合は自分の目標とポテンシャルを考え今はまだ力が足らないと判断しポテンシャルを上げる方向性に変える。または自分の限界を悟り新しいステージに一歩を踏み出すことも成功と考えます。新しいステージでは過去の失敗や後悔が活かされる事もあります。そうなれば全て成功であると考えます。成功とは結果やステータスを得る事だけでははなく、自分が納得できる経験でありその経験を未来に繋げることができる能力を身につけることです。では、どうすればこの能力を身につけることができるか。それを表しているのが成功のピラミッドです。

   

    人生を考えた時まったく失敗しないで人生を終えることは無いと思います。もし何も失敗が無い人生であったとするならば何もしなかった人生だったと思います。この様なことは昔から言い古されてきたことですが人はどのタイミングで初めて失敗を経験するかを考えた事はあまりありません。10年少しの期間ですが市川市の南行徳で認可外保育園を経営していました。0歳児から就学前の本当に小さい子ども達を預かります。言葉を話せる様になりイヤイヤ期を抜けた時期の子供は良くも悪くも自分が無敵だと思い込んでいます。自分に出来る事と出来ない事が区別できません。自分のポテンシャルが解っていないとも言えます。ですから失敗を繰り返します。この時期が人が失敗を初めて経験する時期だと私は考えます。しかし子ども達には「失敗」という概念はありません。上手くいかずストレスを溜めます。時には爆発して暴れたりもします。この時に必要な事は怒る事だと考えます。以前のブログで人を育てる為には「怒る」ことは良くない「叱る」様にしなくてはならないと書いています。矛盾していますが叱る為には失敗という概念が子供になければなりません。この「怒る」には「失敗とする」という行為と失敗に伴う「暴力的な行為」を行為をを分けて覚えさせる意味があります。失敗は良いが暴力はいけないと覚えさせなければ失敗を活かす事ができません。子供は好奇心が強く何事にも無謀に挑戦します。そこで失敗を繰り返しますが自分をコントロールできないことも多いため失敗に暴力的行為や言動が付録の様についてきます。ここを切り離さなければ失敗を活かし成功への舵を切ることはできません。これをクリアーできて次のステップに進んでからをイメージしたの下の図です。

 

 成功とは今の自分のポテンシャルよりも高いレベルにアップデートでき木曜を達成できただけではなく結果に満足感を得ることが出来れば成功とするならば必ず葛藤を経由することなります。葛藤は自分の思い通りにならなっかたり、実力が伴わず上手くできないときなどに起こる心の現象です。対象が自分自身であったり自分を取り巻く環境であったり様々ですが、その中には自分の努力で解決出来るものもあれば人間関係などで自分一人では解決できない問題もあります。この葛藤域において①成功への選択を選び進む事ができれば成功であると私は考えます。そして成功の選択にも二つありAは真の成功、Bは成功域の獲得と分けて考えます。この選択は双方とも結果を期待できる選択をしたと言えます。それぞれの違いはAは自分のポテンシャルを理解し身の丈にあった方法をとった場合であるのに対してBは結果のみに価値をおくタイプです。どんな手段をとっても結果を求める。グレーな手段や他人を陥れても構わない。ある意味戦国時代的価値観ですが当時は死ぬか生き残るかの場面も多かったので今の価値観では計れないものもあると考えます。したがってBは敵も多くなりますし、自分に与えるプレッシャーも続くと思います。常に葛藤の中にいるので手段(方法)としてのポテンシャルのアップデートは期待できますが成功のピラミッドでいう不安の状態を抜けることができないとも考えます。もし抜けているとすればサイコパスの可能性があるでしょう。本当の成功とはAを選択しさらにアップデートできる自分と結果に捕らわれない満足感を獲得できた時と考えます。どちらも結果は求めてはいますがAの場合は結果よりの大切のことを知っています。そこで(明らかに見極める)事により一時的であれ恒久的であれ前向きに諦めることもできます。失敗を後悔するのでは無く自分の経験として引き出しを増やすこともできます。真の成功はこの様なことだと考えます。
 ②失敗への選択は葛藤域に入り成長のチャンスを掴んでいるのに葛藤におけるプレッシャーやストレスに負けてしまった結果だといえます。指導者や大人は選手や子ども達が葛藤の域でもがいてる時に①成功への選択ができる様に助言、支援しなければいけません。私はこの分岐点で正しい選択を行う為に重要な要素が視点だと考えます。これは私自身の独断と偏見による解釈ですが指導者が点の視点であれば選手は点の視点になります。良くも,悪くも点の視点の場合は自分(エゴ)が強く出ます。線の視点に変わった瞬間にお互いの妥協点であったり(しょうがない)といった要素も見えてきます。指導者は選手の言い分を聞き、選手は自分の状況を理解してもらう努力を始めるでしょう。面の視点になった時には今まで発想もしなかったことに活路を見いだすことも出来るかもしれません。成長するということは視点をアップデートする事であり、視点をアップデートするという事は方法や考え方に余裕と幅が生まれる事でもあると考えます。この状態が成功のピラミッドにおける集中の域であり集中の域を持続させることができれば、いざという瞬間にゾーンに入ることも可能になります。結果だけではなくこの様な状態を作れるようになった時を成功と定義します。

 後 記

 浜松町に定期的に行くもつ焼きの店があります。場所柄サラリーマンの方が多く老若男女様々な客層で賑わいます。席が無くなれば相席は常で立ちながら飲む席も有ります。その日は相席でした。前にはかなり年配の方、スーツ姿なのでまだ現役なのかもしれません。静かに飲んでます。横に二人組が大きな声で話をしながら飲んでいました。会話は嫌でも聞こえてきます。殆どが愚痴と文句でした。遅れて入ってきた二人連れの30代前半の客が一つ隣の席で学生風の二人連れと相席で飲み始めました。こちらの二人の会話も聞こえます。なんか仕事の話ですが横の二人とは全く違う内容の話でした。プロジェクトがどうかとかいくら金が必要だとかといった内容だったようです。話の内容から若くして起業した流行のIT関連の代表といった雰囲気がありました。この二つのグループ顔つきも着ている服も違います。これは私の独断と偏見ですがどちらの二人組にも穏やかさが無いんですよ。方や殺気だってる感じがします。方や見下してんのかなとといった雰囲気が出ちゃってる。この人達は成功したのか失敗かそれはそれぞれの胸の内ですね。