子育てのヒント
2024年05月02日

好奇心から向上心

 子供の好奇心が向上心にアップデートした瞬間から今までは存在していなかった「目標」と「目的」が明確になります。ここで意識の変化がおこり「楽しい」から「面白い」を求める様になります。この違いはとは、楽しいレベルでは今現在の状態が自分にとって良いか、悪いかを求めている事に対し、面白いレベルでは目標に向かって進歩している自分自身成長を求める様に変化したという事です。そこで「~でなくてはならない」が「~である方が良い」に変化します。前回の例のピーマンの件はその変化を解りやすく解説したものです。健康であったり体を作るためにはピーマンは食べた方が良い。この様に変化することで、自分が好きか嫌いかの判断ではなく、食べた方が良いか、食べたくないかの判断基準になったことを表します。出だしは順調ですが実力の限界が近づいてくると必ず当たるのが現実の壁です。この時に子供は葛藤の域に入ります。

 

 上図がその時のメカニズムを説名したものです。上図の①と②は好奇心のポジションです。少しずつ好奇心の波動が大きくなるとその勢いを利用してエネルギーの壁を突破します。そして③のポジションに突入します。ここから好奇心が向上心へのアップデートが始まり、このタイミングで好奇心のポジションでは無かった「目標」や「目的」が明確になります。そして目標に向けての活動が始まりますが限界が見えてくるあたりから「現実の壁」にあたります。順調だった行程が思うように進まなくなり④本物の葛藤域に入ります。この局面で重要なことは⑥不安のポジションに誘導すべき助言と支援を間違えないことです。間違った場合は❺不満に落ちる危険性があるため指導者は一番注視して判断、実行する場面です。この時の状況を違う角度から説名しているのがコンフォートゾーンになります。

 子供が成長する段階(④葛藤域)では怖れの領域と学びの領域の境を行った来たりしています。 怖れの正体は失敗することへの不安。学びとは失敗の経験から得ることができた知恵です。子供は怖れの領域と学びの領域を行き来しながら成長する事になりますが、この領域の往復の数は成長の大きさに比例すると私は考えます。なぜならば失敗は正しい答えを導き出すために必要不可欠だからです。テストなどは予め答えが決まられているもの違い陸上競技で結果を出すための答えはありません。失敗は正しい答えを獲得するためには避けられないものです。そこで必要な物が失敗を逃げない強いメンタル。精神的ポテンシャルの高さです。これは成功のピラミッドにも当てはめても考えることができます。怖れの領域の前半が葛藤域、後半が不安域。そして学びの領域が集中域になります。

 子供の顔色を観るとは子供の状態とタイミングを見逃さないという意味です。不安の域を超え、集中の域に突入した瞬間から学びの領域に定着します。この領域に到達することができれば壁は必然的に自分を向上させてくれる一つのアイテムであると感じるようになるかもしれません。このポジションではピーマンは健康の為に食べるもので物ではなく美味しくいただく物になっているかもしれません。