メソッドのエピソード
2023年01月17日

悪い状態2

 悪い状態 2

1,状態を観る
 私のメソッドでは先ず目的を明確にします。そして目的に最適な方法を行う事でより成功に近い結果を求める。この様に考えます。ここで重要な事が状態です。この例でいうならば、相手に話が通じるか、通じないかでやり方は変えなくてはならないという事です。そこで以下の様に整理してみました。

(1)頭では悪いと解っていても感情的になってしまう。感情をコントロールできない。本人の認識と感が一致していない状態。
(2)暴力を行使した自分の行為は悪いと思っている。また、自分では理由には納得できないまでも自分の行為は客観視し反省できる状態。
※この場合の状態とは客観的に自分をみることができ、感情的な判断をしない能力を備えているか,いないかを判断します。
この場合の加害者が(2)のレベルの状態であれば自分の行った行動についてある程度は客観的に判断ができます。自分の行為を反省させ、同じ間違いをしないような指導を行えます。しかし(1)のレベルの状態であれば先ず、加害者のレベルを(2)のレベルの状態まで引き上げなければ話し合いになりません。加害者が被害者が原因を作ったという事に執着し相手の責任を追及し続ければ被害者も態度を硬化させ、場合によっては双方が(1)のレベルの状態まで下がります。これを前に出した成功のピラミッドで解説しましょう。

  

ポイント1
 前出の例における状態(1)のレベルは葛藤域より不満域へ下降した場合に多く、状態(2)のレベルは葛藤域から不安域へ上昇した状態と考えます。そこでより良い解決を考えるならば先ず双方の状態を見極め、双方の状態を葛藤域から不安域に引き上げてから行うべきです。

ポイント2
 これは私の考えです。お薦めできませんが興味があれば参考にして下さい。加害者、被害者どちらかが、ピラミッドにおける無関心域の場合、解決はできないと思っています。なぜならこの場合相手に関する関心がありません。自分がされた事だけに関心があり下手に関わるとクレームの対象になる恐れがあります。のらりくらりとかわし全てを相手に投げて様子をみることに私はしています。

2,目的から考える
 次に目的から逆算して方法を選択します。目的は大目的、小目的として考えます。
大目的・・お互いが自分の非を認め和解をする。
○被害者・・自分の行動(言動)がトラブルの原因を作った事を客観的に判断できる。
○加害者・・理由に如何に関わらず暴力で相手にけが等させた事の重大性を判断できる。
これは前出で書いたお互いが状態(2)のレベルに達している事が前提になります。どちらかが(あるいは双方)が状態(1)のレベルの場合話し合いは物別れになり、対応によっては泥沼化します。そこで小目的を考える必要が出てきます。

小目的・・双方を状態(2)のレベルに引き上げる。
これは相手が話し合いができないレベルであると判断したならばすぐに本題には入らず相手のポテンシャルを引き上げる事をいいます。



3,問題のすり替え
 前出の場合、目的は問題の解決にあります。しかし感情的になっている(状態(1)のレベル)の時、多くの場面で目的のすり替えが起こります。この時のすり替えは問題を解決する目的から相手を攻撃する事に変わっている事が多くあります。(不満)に対する反応は(不満)になるため泥沼化するのは目に見えています。また、第三者が仲介に入って場合も仲介者の好み、偏見があれば問題のすり替えは起こります。ではどの様にすれば良いのでしょうか。私は最終的には損得で考え解決の糸口を探す方法がベターであると考えます。

4,損か得かで判断する
 打算や忖度して判断する。その様に聞こえる言い回しですがそういった意味ではありません。例えば(不満)に対する反応は(不満)です。この状態(1)を続ける事と状態を引き上げ(状態(2)にして)問題解決に向け動き出すことを比べると、時間的な損失、感情的な安定度、そして自分自身が成長できるチャンスがあるか,無いか等で考えた場合どちらが得かという単純な考え方です。成長した自分は、人との繋がりが増えチャンスも増えます。他者からの信頼も得る事ができます。どちらが得で,どちらが損か答えははっきりとしているはずです。

5,まとめ
 メソッドを行ううえで重要な事はできるなら成功と思える結果に導きたい。その時に羅針盤的な活用ができるのが成功のピラミッドです。スポーツでも実社会でも困難な場面に遭遇する事はあります。嫌だと思う前に成長のチャンスだととらえる事のできる人間の方が得だと思いませんか。悪い状態とはそのチャンスを活かす事ができずチャンスを不満に変え,無関心の域に落ちてしまった事です。この状態で生きていくことは辛いと思います。どうせなら楽しく生きて行く方が得です。また、指導的な立場で若い子ども達や幼児を教える時に相手を悪い状態にさせない配慮が子どもの成長には重要だと思います。私は相手の状態に合わせた指導を行う事が指導者の責任と思います。「あまい」といった意見もありますが自分にあった一番結果を引き出せる方法だと思っています。

※状態を観る事は簡単な事ではないと思います。次回、状態を観るということはというエピソードで実例をあげ説明したいと思います。