子育てのヒント
2023年04月08日

アウトプットからのフェードバック

 アウトプットクからのフェードバック

 子供とは失敗をする生き物です。では子どもとはいつまでなのか。こんな疑問が浮かびます。子どもは失敗しなければ成長しないのか。この様な疑問もあります。
 最近成人の年齢が20歳から18歳に引き下げられました。この事から子どもとは18歳までと考える事が妥当かと思います。これには年齢的な事だけでなく高校までは学校というある程度守ってもらえる環境にいます。規則に縛られて不自由を感じている生徒も多くいまがその事に間違った方法で抵抗する生徒であっても基本的には学校という空間で守られていると思います。しかし学校を卒業すれば世間という自分で判断し責任をとらなくてはならない場に身を置かなければならなくなります。これからの失敗は自分の責任において解決する術を考えなければならなくなります。要は失敗をある程度許容してもらえるまでが子ども。自分の失敗の責任を負わなければならなくなった時が大人と考えて良いと思います。
 次の疑問は、失敗は子どもを成長させるのかですが失敗には様々な種類があると考えています。当然良い失敗もあれば悪い失敗もあります。前回の投稿では「遠足」に出かけた子ども達が一人(何人)のミスで交通機関が使えなくなり歩いて目的地に行くのではなく保育園に帰って来る事になりました。この時、失敗した子どもに我慢できなくなった別の子どもが失敗した子どもを責めます。結果的に失敗した子どもを泣かせてしまいます。では皆さんも考えて下さい。この様な時どうしますか。

1,失敗の種類
 失敗には二つあります。良い失敗と悪い失敗です。「怪我の功名」という言葉あるように結果的に良い結果になる。これも良い失敗といえるかもしれません。本当に良い失敗とは失敗が経験となり次に活かせる。教訓となり自分の引き出しが増える。このような方向で活かす事ができるのであれば良い失敗といえます。確かに代償が大きい場合もありますが大きい代償を払ったならばその分成長する材料にしたいと考えます。逆に悪い失敗とはどんなに小さい事柄でも失敗したことにより悪い方向の流れを作ってしまった場合は悪い失敗となります。では良い失敗と悪失敗の分岐点は何になるのでしょうか。子供だけではなく大人も失敗はします。人間ですから当然だと思います。ですから分岐点は自他の失敗の瞬間にどの様な方向性で受け止めたかによると思います。何度も提示している成功のピラミッドで表すと「失敗」=「葛藤」になります。その後「不安」に登るか「不満」に落ちるかで良い失敗、悪い失敗になると考えます。失敗を自分の力(経験・教訓)とすることができ、自他の失敗を上手にリカバリーし結果的には成功に変える。想定以上の結果を得る。このような技術を身につけられるようになればすべてが良い失敗となります。逆に失敗を他の責任にしたり、失敗に対する不満を抱いた時から悪い失敗と言えるでしょう。 そこで失敗の分岐点に立った時に「良い失敗の方向性」に立ったと仮定します。この時何もせずに失敗を許容してしまえば成長はないと考えます。少し過激な言い方ですが,折角失敗したのだから活かそう。私はこの様に考えます。あえて失敗を誘導する様なことはしませんが。起きた事は成長に活かすべきだと思いませんか。

2,良い失敗にするために必要なこと
 良い失敗にするためには頭ではなく体が理解していることが必要です。前回の交通機関の例で言えば出発前に交通機関を使う時の約束は確認しています。当然子供でも頭ではルールを理解しています。しかし本番では失敗します。これは体が理解していない事の証明になります。体で理解するためには三つの事柄が必要です。
①後悔すること
②失敗を分析すること
③責任を取ること
以上の3つの事をしなければなりません。これがなければ人は成長しません。後悔とは自分が間違った事を恥ずかしい事だと認識させなければいけません。これをしておかないと失敗する事への恐怖感がなくなり大胆になります。失敗の経験の蓄積の上での大胆さと何も裏付けのない大胆さは似ているようで全く違います。そして失敗の原因を自分なりに分析し次に活かすようにしなければなりません。そして次に活かすために失敗の責任を取る。このような考え方を身につけさせておく必要があると考えます。ここで注意すべきことは責任をとることと責任を負う事は違うということです。ポイントとなるのは失敗した時にペナルティー的な罰を与えるのでは不満が残ります。ですから出発前にルールの確認を行い、ルール違反があった後の行動を確認する事が大切です。交通機関が使えなくなったのは決められたルールである。この徹底です。そして失敗にも段階があります。ではその段階について説明しましょう。

3,失敗の段階
 失敗の段階を説明するために前回の投稿の際にルールを守れなかった子供をA,ルールを守れなかった子供を過剰に攻めた子供をBとします。
(1)第一段階の失敗
 頭では理解していたルールを自己コントロールができなかった失敗・・・・・A
(2)第二段階の失敗
 ルールを守れたが他の子どもの失敗に自己コントロールができなかった失敗・B

 Aの失敗はルールは理解していましたが初めての経験で興奮したことでルールを守るというコントロールができなくなった事です。頭でわかっていても体が解っていない 典型です。Bの失敗はルールを守って行動する事ができました。これは第一段階の失敗はしませんでしたがAの失敗によって適切な行動が取れなかったための失敗です。これを第二段階の失敗とします。ここでA,Bそれぞれが成長するための条件の後悔する。失敗の分析をする。責任を果たすに当てはめて考えてみます。
 Aの失敗により交通機関が使えず徒歩で移動することになります。交通機関が使えないため、引き返すの一択になってしまいます。当然Aは攻められることになるでしょう。まじめな子であれば自分の失敗を恥ずかしいと感じます。かわいそうかもしれませんがルールの妥協はしません。ルールは公平でなくては意味がありません。出発前にルールを確認した意味もなくなります。次に分析をします。自分をコントロールできなきなったきっかけを探し、次回では自分はどうすべきかを考えさせます。最後の責任の取り方は次回は失敗してみんなに迷惑をかけないと約束することです。できれば全員の前でできれば良いですが、その時のAの状態で判断してあげる必要はあります。そして次は頑張りなさい。でしめます。
次はBへの対応になります。まずBがAに対して行った事で二つの方向性が出てきます。以下が二つの方向性です。
(1)言い過ぎた事を後悔している
(2)Aが悪いのだから泣いても当然だと考えている。

 以上の二つの方向性があります。(1)の場合はAの場合と同じになります。この場合のBは後悔しています。自分をコントロールできなきなったきっかけを探し、次にどのような対応をすべきかを話し合います。次に責任の取り方ですが効果的な責任の取り方は次の「遠足」の機会にリーダーとして集団を仕切る役目を与えるから頑張りなさいといった課題をあたえることでしょう。
 次に(2)の場合です。明らかに(2)の場合は過剰に反応していますが、Bの言いたいことは理解できます。ここでBの主張を整理して考えなければいけません。
①主張は間違っていない。
②主張の伝え方は正しかっただろうか。
になります。私はBの主張は尊重します。理由は次回に深掘りします。そこで伝え方(言い方)が適切だったかをBに投げかけ、Bの目的と伝え方が一致しているかを分析します。具体的にいえばBは何をしたかったかという「目的」に対し結果はどうなったかをBと一緒に分析します。Bの目的は「Aにルールを守るように」と伝えたかったですが結果的にAを泣かせただけです。そこで「BにAを泣かせたかったの」と目的を確認し、もっと良い方法はなかったかを考えてみようになります。責任の取り方は(1)と同様に次の機会どの様に行動できるかを任せます。次回はこのエピソードを深掘りした記事を上げます。