子育てのヒント
2023年02月01日

悪い状態の対処法

  悪い状態の対処法

 もし相手が悪い状態であると判断した時に重要な事は、感情的になっている相手に感情的に対応しないことです。感情的になっている場合、相手は自分の言動、行動に不満がある場合です。自分ではそのつもりでないと言いたい時もありますが,相手の感情は相手が抱く感情であることを理解しておくべきです。自分はこんなつもりで言った、行ったではなく,相手がどんな受け止め方をしたかが重要です。言い方を変えれば自分の言動や行動が相手にどの様な影響を与えてしまったかが問題になります。お互い好結果を得るためにも真意を読む練習は必要です。前回の例では、走っていないと言い張る子どもの言いたい事の真意を読み取る前にお迎えが来ました。私にそれまでに真意を読みとる力が無かったからです。但し,何か不自然だと感じる事ができたためチーフスタッフに確認する事ができました。そこで何故この子が感情的になったかを理解する事ができました。しかし、悪い状態のまま帰宅しています。この時の対処を実際の例で紹介します。

1,対処例
 (1)次の日のファーストコンタクトで声をかけ様子を観察する。
  
    以上の2択になります。どちらを選択するかはその場の状況で判断し、自分の認識の正確性を客観的に観て、妥当でないと判断したら場合は、選択はA一択になります。

2,それぞれの選択

 Aを選択する
    まず自分の判断を疑ってみる。動き回っていただけでその状態が危険であると判断した自分の感覚が正しかったかを考える。この時、一緒に保育の現場にいたスタッフは声かけをしていない事などから「危険である事」の判断にズレが生じている可能性もある。この時、自分の感覚とスタッフの感覚をすりあわせるならばスタッフの感覚を優先すべきである。スタッフにその場を任せている事も考慮し問題はスルーする方が良い。
 
 Bを選択する
    動き回っている事を危険であると判断したのであるから再度落ち着いて生活できる様に指導する。

    この2択になります。Aを選択した場合は、様子を観察し、場合によっては指導をスタッフに任せる。これがベターな方法です。Bを選択した場合にはやるべき事があります。ひとつは自分とスタッフの問題意識を共有し指導はスタッフに任せます。もう一つは子どものポテンシャルを確認したうえで子どものポテンシャルを引き上げる事です。

3,ポテンシャルを引き上げる
この場合の子どもは,動き回ると走るが同義である理解はできていません。そのためにお互いの認識にズレが生じます。自分は走っていないのに走るなと言われ、指導も受ける。本人としては納得できない場面になります。したがって君の行為は走っている事と同じである。なぜなら走っている場合と同じ様な危険性があるからである。これを理解される事が目的の1になります。前項で書いた小目的にあたるものです。次の段階で自分はどの様な行動をすべきかを考えさせる。これが大目的になります。以下の様に整理してみます。

4,目的から考える
    私のメソッドでは目的から逆算して物事を考えます。しかし、日常の中では,いつしか目的がずれ、お互いが感情的になっている場面に遭遇します。この走る子どもの例でも最初は室内では落ち着いて生活させよう。これが目的だったはずですが感情的になると相手(子ども)を力で押さえつける事が目的にすり替わる事もあります。また、そもそが、Aを選択する方が妥当であった場合なら目的自体がふさわしくないものになります。もし、Aを選択する方が妥当であった場合にBを選択し、力で押さえつけるような結果になった場合、当然、相手(子ども)は不満の域になり感情的、攻撃的になります。そうならないために相手の域(成功のピラミッド)を観察し、回りくどいやり方かもしれませんが相手が自分の考えと同じレベルになるまでポテンシャルを引き上げる作業は必須です。しかし,この様な方法はあまり歓迎されない事の方が多いと思います。子どもにはぴっしと言えば良い。そうしなければ生意気になる。面倒だしよく解らない。この様に言われた事もありました。何度も言いますが、先ず目的がある。その目的をできるだけベターな結果にしようと思った時は、時間、手間、そして自分の感情的なものも手を抜いたら良い結果には繋がらない。私はこう考えます。また、こう考えるべきだと思う切っ掛けとなったエピソードが有ります。次回はそのエピーソードについてお話しましょう。