松尾メソッド
2023年03月01日

ポテンシャルを観る

 今回の投稿は選手を強化する目的をメソッドに沿った潜在的能力をみる方法を書きます。強い選手を育てるうえで一番最初に何をみるのかを解説します。

ポテンシャルを観る

1,ポテンシャル
 ポテンシャルとはその選手が持っている可能性の事です。下図はポテンシャルを解りやすく図にしたものです。ポテンシャルには身体的と精神(メンタル)的ポテンシャルがあります。

2,身体的ポテンシャル
(1)正しい動きができる
  無駄のない多正しい動作を習得していれば高いいエネルギー効率が得られる。
(2)強い筋力がある
正確な動きを身につけていても筋力が弱い場合、速く動けない、ストライドが伸びない等の弊害がでる。そこで正しい動きをより速く、大きくするための筋力をつけるトレーニングが必要になる。この際に上半身、下半身,左右、裏表での筋力がバランス良く強化する必要がある。
(3)筋肉と内臓疲労の回復が速い
 ハードな練習を行った際に筋肉と内臓に溜まった疲労物質を取り除く能力が高ければ、常に良いコンデションを保つ事ができ質の高い練習スケジュールをこなす事ができる。その為に必要な休養や栄養をしっかり捕る習慣をつくる。

3,精神的(メンタル)ポテンシャル
(1)柔軟でポジティブな考え方ができる
難しい場面でも前向きに考える事ができる。諦めず可能性を探す事ができる反面、これ以 上は難しいと判断した場合、今までの考え方に拘らず新しい方法を探す事ができる能力がある。
(2)正しい判断、決断、実行ができる
情報を正しく理解し、自分の考えに取り込み判断、決断、実行ができる。また、その判断が間違っていると理解した場合、意地、見栄といったものにとらわれず新しい選択ができる 能力がある。

 ポテンシャルを上げる

1.ポテンシャルを上げる方法
ポテンシャルを上げるためには練習が必要です。運動であれば練習というとイメージできますが、メンタルとはどの様な練習をするのか想像がつきません。しかし身体的ポテンシャルと精神的ポテンシャルはお互いが連動しながら引き上げる効果があります。言い換えれば身体的ポテンシャルを上げる為には精神的ポテンシャルが必要であり、身体的ポテンシャルの課題を一つ解決する度に精神的なポテンシャルが強くなります。この一連の活動が自立になり、やがて自律になります。下図はその一連の活動を図にしたものです。


  身体的ポテンシャル×精神的なポテンシャル=ポテンシャルを上げるとなります。

2,自立から自律
 選手は競技力向上(実力)を向上させるためには課題を1つずつ解決し身体的ポテンシャルを上げていくことが必要になります。身体的ポテンシャルを上げる時、正しい知識を得たり、その知識をどう活用するかを考えることは不可欠です。正しいと信じて活用した知識では結果が出ない場合に悩む事も多いでしょう。これを葛藤と言います。人は葛藤することで成長することができます。この時に大切な事は自分で判断、決断、実行することであり、責任の全てが自分にあると自覚できる事です。当然難しい判断や決断はあるので誰かのアドバイスや力を借りることは大切です。逆に意地やプライドから他人の力を借りることができない人間も多く、この様な人間の進歩は少ない事も多いでしょう。しかし他人の力を借りたとしても最後の判断と決断は自分が行う事が大切です。特に自分の感覚で違うかなと感じた場合、アドバイスを受けた相手との関係性で忖度したりして失敗するケースもあり、この様なケースが一番強い葛藤を感じる場面でもありますが自分を成長させ自立を助ける場面でもあると私は考えます。

 次回はこのポテンシャルをどの様にして発揮させるかのプロセスを書きます。メソッドでいう今回は観る段階です。次回は練る段階になります。