メソッドのエピソード
2023年05月19日

仲良くする必要がない理由

 仲良くする必要がない理由

 前回良い結果を求める場合で必ず仲良くする必要がないと投稿しました。これは最初良好な関係だった集団がより高い目標を求めようとする時に意見の違いが出て来る事がありこの場合も自分の意見をは変えなくても良い。自分を曲げてはいけない。この様に解釈する人がいます。これは間違いです。この様に解釈するならば相当頭が悪いと言わざるをえません。それは結果を求めるときに不可欠な事は仲良くする事ではなく、好き、嫌いはともかく仲間を認める事が必要だと考えるからです。当然,認めたからといって嫌いだという感情が変わらないこともありますし、逆にそこから少しずつ相手にいだく感情が変化する事もあるでしょう。そこで自分の仲間、チーム内での意見が違う相手を理解し認めるためには表向きに仲良くするのではなく目標という共通の目的を持つべきだと考えます。

1,目的から考える
 チーム内の雰囲気が良くない場合は大きな目標を決め、それに準ずる小さな目標を複数決める。その目標から目的と課題を決め全体が同じ方向を見るようにする。このことが有効であると思います。ここでお互いの考え方や方法論が違ってくることはあります。そこで考え方に違いがあるにせよ同じ方向を向かせるためには基本となる目標がありますので自分のやるべきことは決まっています。目標に対し自分が出来る事をするになります。ここで重要なことは目標が具体的であるということです。目標が具体的である場合は結果や課題を正確に評価できます。失敗となった場合もにも失敗の原因を検証できます。また個人のやるべきこともはっきりする為チームに対し自分がどれだけ貢献できたか、また改善することはないか等の検証もできます。しかし目標が抽象的な場合は検証が難しくなります。例えば大会で優勝するために「チームワークをよくする」といった大きな目標(第一目標)を決めた場合、結果が良くも悪くも検証は難しくなります。それはチームワークが良かったと判断する個人の基準がバラバラになるからです。その為、計画の途中などで「良好」と判断する人間と「不足」と判断する人間が出ます。これはチームを分断する材料にもなりますし相手を理解し認める事の足かせになるかもしれません。下の図は具体的な目標と抽象的な目標の違いを考えたものです。

(1)目標が具体的な場合

 大目標が大会で優勝すると言う具体的なものため、サブ目標も大目標を達成するための具体的なものが多くなります。この事から課題がどれだけ達成できたか,改善することはあるかなどの検証ができます。第二目標①の全員が11秒5で走るという目標などは個人差はあり、目標に向けての方法や考え方が違った場合も11秒5に到達したか,しなかったかの検証になります。②のBP(バトンパス)の歩数は24歩以上というのはバトンゾーン内で次走者ができるだけ距離を稼ぐためマークの位置は遠い方が良いと考えます。その歩数が24歩以上という第二目標に対し、目的がバトンゾーンでの距離を有効に使うためになり課題は24歩でも追いつける走力をどうつけるかになります。この様な目標設定を行い結果ごとに検証を行えば第二目標の修正も可能です。

(2)目標が抽象的な場合


 ◎大目標が抽象的であるためサブ目標も抽象的な要素が含まれる様になるます。「サブ目標での相手の話を聞く」もただ聞けば良いのか、意見を言えるのか等も具体的でない為、練習後のミーティング必須も(1)の場合は具体的やるべき事という内容になると予想されますが(2)の場合は,考え方や言動、ひいては態度などにも派生することも予想されます。こうなれば逆に悪影響が残る可能性も有あります。抽象的な目標でも最初は上手く行く場合もあるりますが長く活動を続ける場合少しずつでもきしみが出て来ることもあり、方法がマストの方向性に傾きやすいと思います。

2,マストではなくレッツ
 目標達成までのエネルギーを考えた場合、マスト(~でなければならない)よりもレッツ(~しよう)の方が遙かにエネルギー効率は良いと思います。それはレッツの場合、目的が達成され、新たな課題が出来る。それが達成されるといった中で活動に加速がつくようになり,さらに楽なエネルギ-で楽しいと感じる瞬間が増えるからです。しかしマストの場合一つの目標が達成され新たな課題が出来た場合、以前の課題よりも難しい課題になる。これは使うエネルギ-、やらなければいけない事柄も増え継続が難しい状態になることでさらに雰囲気が悪くなることもあります。そしてマストの場合は個人の義務感も強くなり干渉する場面も増えると考えます。

3,ルールを決める
 目標が具体的、抽象的に関わらず決めなくてはならないルールがあります。それは個人の考え方などに干渉しないとことです。ある程度の自由さは必要です。そこで自由であるならば練習時間を守らない、一人だけ好きな練習をするは良いのかという疑問が出ますが、チームとしての活動と考えるならば、この個人はチームの一員ではありません。この場合はチームから外すといった強い姿勢も必要ですが、自分の考えを持つ自由。その意見を言う自由は保障しなければなりません。同時に自分と違う意見を持つ他を干渉してはいけないということも大切です。相手に干渉するということで自分の持論を言う場を失うことにもなりかねないからです。

 

 雑記

 交通機関でのトラブルの例を引っ張り,引っ張りする形になりましたが最後はチームをまとめる考え方まで来てしまいました。なんか途中で全く関係ない方向に話が進んだ印象もありますが、テーマは「考えさせて成長させる」です。次回は、この様な考え方、方法の弊害について考えてみます。上記は子どもを成長させるために考えたメソッドにそった考え方でもありますのでメソッドの弊害ともいえる内容になるでしょう。