年末は馬鹿の話をしました。年明けは阿呆の話になります。そこでもう一度、馬鹿と阿呆の違いについて解説した図を示します。
一般的に馬鹿というと頭が悪いといったイメージを持ちますが決して馬鹿は頭が悪いわけではありません。空気を読まなかったり、失敗を恐れない強いメンタルを持ているため澱んだ状況に風穴を空けることができる唯一の存在だと位置づけて話をしました。しっかりと考えている。しかし忖度したり、失敗を考え臆病にならないのが馬鹿という人間です。では阿呆はというと馬鹿に似ていますが考えることが苦手な人間です。しかし馬鹿に似ている為か忖度はしません。失敗も恐れないでしょう。ですから自己肯定感を作るのは得意だと思います。だたし、考えることができないため忖度ではなく無礼になることが多々あります。失敗を恐れず暴走します。結果周りを巻き込んで騒動にしてしまうのが阿呆です。阿呆は頭が悪いのでこれは仕方ない事です。では阿呆を活かすためにはどうすれば良いかを考えましょう。そのために阿呆をもう少し細かく分類する必要があります。
上の図は阿呆を4つのグループに分けたものです。それぞれの特徴と対処の方法が以下の通りです。
A
基本的に素直です。考えないで行動するため失敗することも多くあります。この様なこのこの様なタイプは考える習慣をつける必要があります。解りやすい例えで言えば馬鹿は信号が赤から青に変わった瞬間も左右を確認してから一歩を出します。阿呆は確認しません。そこで思わぬもらい事故をする。この左右を確認することが考えるということです。このワンステップを習慣とさせる。何かをしよおうとした時には左右を必ず確認する様に先ず考えて結果を予想する。この習慣をつけさせれば馬鹿になります。前回提案した様に頭が良いということは勉強ができる事でも難しいテストの問題が解けることでもありません。人間としての読解力があるという定義ですので考える習慣がつけば頭は良くなります。実際そういう人間を何人か見てきました。視点を点から線。そして面と広げ最後は立体的に考えることができれば馬鹿を通りこしてリーダーにもなります。何度も言いますが馬鹿は忖度しません。正しいと判断した時には動きます。ですから阿呆→馬鹿→リーダーとなる可能性は充分有ります。指導者は辛抱強く考える習慣をつけさせ、考える習慣が身についた時点で物事を任せてみることをお薦めします。最初は指導者が責任をとる覚悟は必須になるでしょう。そして時期が来たと思った時に責任を本人が背負うようにさせます。これがリーダーとなります。
B
これは少し厄介です。先ず「反抗的な性格」ですがBの場合は拘りが強く頭が固い。まして考える習慣がないため指導者が間違いを正そうとしても容易に考え方も行動も変えません。ただ救いは考えようとする傾向があることです。このタイプには常に新しく正しい情報を与え続けることで改善する希望があります。あくまでも希望です。自己主張が強いほど考え方が正しい方向性を向けばポテンシャルの進歩はあるかもしれません。一番効果的な方法は自分の考える方法と正しい方法を試させることです。それでも自分を客観的にみることができないようであれば私は好きなようにさせるでしょう。そこでもう一度考えさせます。このタイプはチームで戦わなければならないリレーメンバーなどで使うことには慎重になります。
C
考えない人間は考えさせようとしないことが重要です。考えさせようとすることがストレスとなり効果的ではありません。最初から最後までの道筋を指導者が考えその通りに行わせる。この様なやり方でしか結果には結びつきません。したがって指導者との相性は必須の条件です。性格が素直な点は扱い易い存在とも言えます。このタイプで注意することは指導者が常に正しい判断をすることです。指導者の間違いは選手の失敗に繋がるります。また扱いいやすいからといって選手を私物化してを利用しないことです。選手を練習と関係な場面で使用で使う等の行為は絶対NGです。そして、できれば良いいタイミングを見計らい考える習慣をつけさせる試みもする必要はあると考えます。
D
私の考えですが、このタイプはBよりも簡単だと思います。結論から言ってしまえばこのタイプに期待はしません。関わるだけ面倒だと割り切れるタイプです。Bの場合は可能性があります。Dにはありません。もし可能性が産まれるとすれば、ある程度は選手に合わせ結果が出た時に、指導者が選手が自分い合わせてくれていた事。そして結果に繋がった事を選手が気付いた(感じた)時です。残念ですがこの様なタイプの選手(人間)が気づくことは少ないでしょう。しかしこのタイプの選手は指導者の力量を上げるタイプです。どこまでは付き合うか。それから先は突き放す。あるいは関わりを薄くする等の判断も必要なタイプと言えるでしょう。
後 記
新年は阿呆で始まりました。前回も書きましたが馬鹿だの阿呆だの言って差別する意図は毛頭ありません。色々なタイプ別にどう接するかを書いています。これは選手を指導する時の指導者が観るべき視野について書いたものです。多少の独断と偏見はあります。そんな考え方も面白いかもしれないと感じた方は参考にして下さい。
私の考え方は基本的に選手に合わせます。ですから「出来ない」と思っても粘り強く指導します。しかし「やらない」と判断した場合はどのタイミングで切り捨てるかを考えるタイプです。決して優しいだけの対応はしません。したくもありません。やらないとは具体的に「時間を守る気持ちが無い」や「他人を平気で誹謗中傷する」を繰り返すことです。この様な行為は頭が悪すぎます。頭が悪いことを修正するには考える習慣をつけることですが、考えない人間にも強みは有ります。それが「素直」なことです。以前、素直の意味は自分に対しての気持ちであると話をしましたが,これは考える能力がある事が前提です。考えることが苦手な場合は相手に対して素直であることは最大の武器になります。但し相手は選ぶ必要はあるでしょう。もし,身近に考えることが苦手な人が居たならば考えさせずに素直に指導に従う習慣をつけておくことも成功へ繋がる可能性があると思います。
次回は視点について解説します。それはお互いが「点」「線」「面」「立体」のいずれの視点で観ているかこというテーマになります。頭が良いということは視点が広く、大きい事とも思います。