2024年01月14日

普通であることが偉大な理由

 今回は指導者が観るべき視点として「点」「線」「面」「立体」の解説を予定していましたがその前に「普通」についての意見をのべます。これは前々回の最後の後記で普通の成功とは何かという問題定義をしていること。それと馬鹿族は時代に風穴を開ける力がある素晴らしい存在であると馬鹿族を持ち上げたために普通族はつまらない存在なのかと思われるのはいささか不本意であると考えたからです。そこで馬鹿族と普通族の分布の比較ですが圧倒的に普通族が多いと思います。馬鹿族(阿呆)の強みは大化けする可能性を普通族に比べ沢山持っていることです。普通族が考えない様なことを考え,実行してしまうのが馬鹿族の強みと言えますがデメリットも多くあります。それは危なっかしいということです。漫画のエピソードになってしまいますが、スラムダンクででの赤城は馬鹿族だと思います。普通の公立校で1年生時には1回線で負けてしまう湘北高校で全国制覇という目標を本気で考えている。普通なら考えないでしょう。これが馬鹿族の強みです。しかし映画「ファースト・スラムダンク」で描かれていたように場合によっては馬鹿族は排除されます。映画の中でも過去に赤城が先輩から煙たがれていた事や赤城のストイックさについて行けず辞めていった部員のエピソードがあります。でも赤城は最後まで諦めず頑張ることができました。これは小暮(めがね君)の存在が大きいと私は思います。馬鹿は一人では厳しいですが馬鹿を支える人間がいることで生きていけます。馬鹿を支えている人達は普通の人達なのです。

 世間を見回して、会社やインフラ、生きていく上で必要なものを作り、管理しているのは普通の人達です。馬鹿が馬鹿の強みを活かし能力を発揮できる影には普通の人達の支えがあることを認識しなければいけません。馬鹿が強みを活かし結果を出すことができる裏には多くの普通の人達が支えている事を忘れ傍若無人に振る舞うようになれば馬鹿は阿呆に落ちます。独特の感性や考え方に加え人並み以上の行動力で築いた結果が仇となり自分を貶める事になります。この様な時に正気の戻してくれるのが普通の人です。もう一度、馬鹿と普通の分布図を表示します。

 もし、馬鹿が自分のポテンシャルを忘れ暴走した時にブレーキを掛けられるのがCのグループです。そして案外緊張感を緩め、ほっとした空気を作ってくれるのがDのグループです。また、今は普通として生きていたとしても過去には無理と思えるチャレンジをしていたかもしれません。過去のブログでも書いていますが陸上競技を現役として過ごせるのは一生のうちでも限られた時間です。その後も陸上の第一線活で活躍できる人(大学、実業団の指導者、日本陸連の強化担当コーチなど)は希です。かつては馬鹿だった(褒め言葉)しかし明らかに見極めなければならない状況で諦める選択をせざるをえない時に正しい判断ができたから普通になれる。この様に考えます。言い方は悪いと思いますが、解りやすい例えで言うと,かつて馬鹿だった人間が普通として生まれ変われる為にはしっかりと成仏しなければなりません。最初から普通であったならば自分を解っている。言い換えれば悟りを持って自分を客観視できていた。この様に考えます。
 そこで普通グループの成功とはCグループ、Dグループそれぞれの強み(良さ)を理解し社会、集団で貢献できている実感をつかみにいくことです。言い換えれば自分の強みで何かを支える事ができる。それを実感し満足感をえることができれば成功です。かつて馬鹿だった人は上手に成仏して下さい。地縛霊の様に怨念を残していては成仏できません。勿論、年老いたからといっても周りに必要とされる場合は別です。また、今度は結果や勝負にこだわらず陸上競技を楽しむために競技を再開するのも別です。普通の人達の成功とは誰かを支えるために必要な人間になることだと考えます。

 後 記

 次回は視点について書きます。頭を良くするには考える事は必須ですが頭が良くなる考え方と逆に頭が悪くなる考え方が有るように思います。それを左右する要素が視点だと思います。ざっくりとでは有りますが以下のブログでも少し話をしています。

https://bayside-club.net/blog/