子育てのヒント
2024年02月14日

面で行う指導

 線の指導で効果的な指導方はマンツーマンによる指導だと思います。それがチームになると難しい局面が現れます。この原因に選手の意識の違いがあります。これは同じチーム内にストイックに競技に取り組もうとする選手と楽しく競技をしたいと考えている選手がいた場合に選手同士が同じ様なポテンシャルを持っていた時に起こる可能性があります。また指導者のやり方に好意的である選手と否定的である選手が存在し練習方法に対する考え方が乖離していればチームが一つになる事は難しいと思います。そうなるとやはり線よりも点の視点の指導が有効になるのではないかと考えます。この様な場合は「線で指導」よりも「点の指導」の方が結果的で良い方向に向かいますが、点の指導に不向きな選手、否定的な考えを持っている選手は切り捨てられます。一人のチャンピオンを作っても一人の選手を潰す方法が良い方法とは思いません。そこで「面の視点」で「面の指導」を行う必要性が出てきます。では面の指導とはどの様な物かを解説していきます。下の図を見て下さい。

 

    上の左図が「点の指導」を図化したものです。選手は全て指導者の方を向いています。選手の意志よりも指導者の意志が強い状態と考えて下さい。その中に選手「ケ」と選手「える」がいます。この二人は指導者の指導の範囲内に収まりきれない選手として英字表記とは違う表し方をしています。解りやすくいえばチームからはみ出している選手です。彼らは実力に関係なくチームからはみ出していると考えて下さい。右が「線の指導」を図化したものです。この場合は指導者の視点は中心にいます。それぞれの方向を観ていますが指導者のやり方に不満を持っている選手の存在も確認できます。特に積極的に否定的なポジションを取っているBは否定的な考え方を持ってはいますが指導の範疇にいます。ケは完全に指導が入らない状態と考えて下さい。このポジションを(3)とし最も危険なポジションと考えて下さい。(4)のポジションは指導者に否定的ではあるものの感情的には消極的な選手の集合体です。Gは否定度は高いが諦めも強いといった立ち位置であり、Bは否定的でかつ許せないといった強い感情を持っているというイメージで捉えて下さい。「える」は否定度は低いですが同時にチームに対しても関心も無い。その為指導者の助言にも関心が無いといった状態です。点の指導の場合ポジション(3)と(4)の選手は切り捨てられる(自分から辞める判断)かチーム内で冷遇されます。冷遇されてもチームに止まる選手は競技とチームに対する愛着が強い選手です。また指導者もチーム全体を考えた時に危険域の選手の扱いには注意を払う必要があります。場合によっては特定の選手を切り捨てる判断をしなければならない場面に遭遇するかもしれません。そこで、この問題を解消する方法として考えたのが「面の視点」による「面の指導」になります。そのイメージが下の図です。

  

 中心に位置しているのはチームの目的になります。これは指導者はチームの目標を達成するのために存在します。チームの視点とは選手個々がチームの目標を達成する為に自分のやるべき責任を果たすといった視点になります。指導者はチームの目的を果たす為に選手個々が力を発揮しやすい環境と方法を準備する事になります。しかしこの方法を取るにはクリアしなければならない問題もあります。先ずチームとして自律していること。その為には選手個々が自律、ないしは自立していることが必須です。もし選手Bや「ケ」が自律できていれば危険域の選手であってもチームにプラスの方向で貢献する可能性も低くありません。この様なことができれば指導者と選手のわだかまりは案外簡単に解消できます。そしてこの様な過程を踏むことは指導者、選手を問わず人間として成長し、成熟することに大きく影響を与えると考えます。

 後 記

「雨降って地固まる」という言葉がありますが最近は「雨降れば土砂崩れ」になるケースが多いと感じます。私見ですけども全ての場合において自分を守ろうとする意識が相手に対する配慮を遙かに超えていることが原因ではないかと考えます。近頃の世情でも問題を起こした場合は謝罪より隠蔽。それが通じなければ裁判だ的な風潮の空気が充満していて息苦しくなってきていると感じます。面の指導とは線の指導の進化形と考えます。同時に子供の視点が「点」から「線」に成長し「面」の視点になれば成熟した人間になると信じています。只、大変です。重箱突っつく様な視点を持って、場合によっては周りからも神経質だと後ろ指さされ時には体制にに逆らって孤立する事も覚悟の考え方かもしれません。その最終到達点が成功だと考えています。成功のピラミッドはその様な理想を図にしたものです。次回。ちょっと箸休め的に成功についての持論を話します。「面の視点」の先が「立体の視点」になります。